万延元年遣米使節子孫の会、および咸臨丸子孫の会合同有志で、桜寄贈100周年ワシントン桜祭りに合わせ、首都ワシントン周辺のツアーを実施

万延元年遣米使節子孫の会、および咸臨丸子孫の会合同有志で、桜寄贈100周年ワシントン桜祭りに合わせ、首都ワシントン周辺のツアーを実施する。滞在中は遣米使節団の宿泊ホテルであったウィラードホテルに宿泊し、当時をしのぶ。
そのツアーの詳細報告はこちらで、また遣米使節子孫の会会員の方の今回の旅行記はこちらです。

ウイラードホテルロビー控室にてツアー参加者の記念写真
ウイラードホテルロビー控室にて
ツアー参加者の記念写真

『万延元年遣米使節子孫の会・咸臨丸子孫の会 合同桜寄贈100周年ワシントン桜祭りツアー』報告会

  • ツアー期間:
    2012年4月11日~16日
  • 参加者:遣米使節子孫の会:村垣正澄、宮原万里子、岩本美和子、平石慶子、吉田哲子、塚原辰二
    咸臨丸子孫の会:小林賢吾、宗像善樹、宗像信子
    現地合流:村垣孝会長、村垣妙子
  • 行動概略:
    4月11日、成田発11時05分 NH002便で、Washington, D.C. 11日AM10時40分着。 入国審査後、専用車で空港の隣に位置する航空宇宙博物館別館を見学する。

14時頃、Intercontinental Willard Hotelに到着。ホテル名物 Afternoon teaを取りながら、村垣会長より滞在中の日程説明を受ける。その後、ホテル内にある資料室で、Jim Veil総支配人よりホテルの歴史の説明を受け、我等先祖が1860年に投宿した当時を偲ぶ。夕食は自由行動。

4月12日、8時40分ホテル出発で市内観光に出かける。Navy Yard内に位置するU.S Navy Museumを見学する。同Yardは1799年に作られ、1814年には造船所が建設されており、遣米使節代表が同地に上陸しワシントン入りした思い出深い場所である。同造船所を見学し、これが後の横須賀造船所建設のきっかけになった事を思い起こすと感激した。(但し、私共は造船所を見学しなかった。)そして、現存最古の1837年の建物の前でご先祖様方と同様に記念撮影を行い、戦艦大和の船体の一部である鋼板の実物にビックリするやら、第2次世界大戦の米軍の軌跡を辿る資料館だった。

その後、国会議事堂、リンカーン記念堂、John F. Kennedyの墓地にお参りを済ませて、ワシントン・ハーバーにて昼食を摂る。午後にはジョージタウン街を散策。 そして、村垣孝会長が長年勤めておられた世界銀行ビル内を見学する。ここには300名を越す日本人が勤務しており、 世界の頭脳が集積した場所である事を実感した。夕食は、ホテルの隣に位置する1906年創業の「Occidental Grill」で楽しんだ。

4月13日、10時45分ホテル出発で、ポーハタン号が遡ったポトマック河のCrusingに出かける。12時から14時までのCrusingではあるが、当日は満席であった。昨日までの寒さも和らぎ、最高の快晴の下、ご先祖様が眺めたのと同じワシントンダウンタウンをポトマック河から眺めながら昼食を楽しみ、 またバンド演奏にあわせダンスを楽しんだ2時間だった。

この後、国会議事堂近くの航空宇宙博物館(本館)の見学をしてから、「伊藤若沖展」が行われているナショナルギャラリーを拝観した。夕食は自由行動

4月14日、本日は、今回ツアーの主目的である「桜寄贈100周年」の桜祭りJapanese Street Festivalの当日であった。午前中は、 アメリカ各州からの代表によるパレードが行われているのを、約2時間見学した。午後に、日米協会会長にお祝いを申し上げ、記念撮影後、 藤崎一郎全米特命全権大使ご夫妻にご挨拶を済ませた。各ブース並びにショーを楽しんだ。

夕食は、ワシントンでも有名なレストランである「Old Ebitt」にて、ツアー最後の会食を楽しんだ。

4月15日、12時20分発のNH001便にて成田への帰国の途についた。一行のうち、岩本さん、平石さんのお二人は、列車でニューヨークに向かわれた。

4月16日、15時25分 成田着。無事帰国し解散した。

今回のツアーは、152年前のご先祖様の軌跡を辿り当時を思い起こすと共に、我々自身がアメリカを更に理解し、現在の日米相互の親善に少しでも役立てる事を念じ、4日間を過ごしました。 ウィラードホテルは建設当時5階建のホテルで、今日では11階建に変わっていましたが、厳かな調度品とロビーの空間は使節団が、26日間滞在していた当時を偲ぶに十分な雰囲気をかもし出しておりました。また、14日の桜祭りでのアメリカ主催のパレードは、使節団がNAVY YARDからホテルまでパレードした往時を偲ぶに十分な雰囲気を持っておりました。今回のツアーは、村垣孝会長ご夫妻の素晴らしいアテンドで成功裏に終える事が出来ました事を改めて感謝申し上げます。

文責/事務局 塚原辰二

米国首都ワシントンDCへの旅

子孫の会 会員 T.Y.

「ようこそ、そしてお帰りなさい」
そう言って私たち一行を歓迎して下さったのは、ワシントンの老舗ホテル、ウィラード・インターコンチネンタルの総支配人、ジム・ヴェイル氏。今春、万延元年遣米使節子孫の会の会員らでご先祖さまの足跡をたどるべく、米国の首都に到着した日のことでした。1860年に徳川幕府から派遣された77名の使節たちがひと月近く投宿したホテルに、私たち子孫のグループも数日間滞在する機会に恵まれました。ホワイトハウスからほど近く、キング牧師がかの有名な演説の原稿を完成させたという同ホテルには、創業以来の歴史写真やパネルで展示されたギャラリーがあり、152年前にサムライ使節たちが滞在した当時の様子が描かれた米国の新聞の挿絵等も掲げられています。「皆さまのご滞在は当ホテルの新たな歴史となりました」とヴェイル氏。

ピーコック・アレイと呼ばれるホテルの瀟洒な通廊でアフタヌーンティーを愉しみ、長旅の疲れを癒やした一行は、春の陽射しが美しい街へと繰り出しショッピングなど思い思いの自由時間を過ごしました。

翌日は市内観光。幕末に使節団の三使らが視察に訪れ、のちの横須賀製鉄所(造船所)開設のインスピレーションとなったワシントンの海軍工廠を訪れ、 使節と米提督らが一緒に写真に収まったとされる辺りで記念撮影、敷地内にある海軍博物館を見学しました。 その後、新緑に映える白亜の連邦議会議事堂(使節訪問時は建設中だったようですが今回も一部修復中でした)、リンカーン記念館、ケネディ三兄弟が眠るアーリントン国立墓地を訪問。ワシントン・ハーバーにて昼食の後、ハリーポッターに出てきそうなジョージタウン大学のキャンパスと学生街を散策しました。市中心部に戻って、子孫の会の村垣孝会長が長年勤務された世界銀行を見学させていただきました。並み居る世界のエグゼクティブたちの会議風景を横目に見つつ、アーカイブでは日本が世銀から借款を受けた高度成長期の文書等を拝見し、日本も国際社会からの支援や融資を受けながら発展したことを実感しました。帰路はホワイトハウスの周辺を散策。夜はホテルに隣接する老舗レストラン、オクシデンタル・グリルで会食し、ワシントン名物のシーフードなどに舌鼓を打ちました。

3日目は、ポトマック河をオデッセイ号でクルージング。ご先祖さまが幕末に米外輪船フィラデルフィア号で遡り、当時建設中のワシントン記念塔などを目にしながら海軍造船所に上陸したという航路を一部たどることができました。 のどかな河の流れと岸辺にそよぐ柳など木々の若葉が往時の風景をしのばせてくれました。約2時間のクルーズ中には生バンドの演奏に合わせて子孫の皆さんが踊る場面も。下船後はそれぞれにお目当ての博物館見学などへ赴きました。

4日目は、日米桜寄贈100周年を迎えた桜祭りの会場を訪れ、午前中に華やかなパレードを観覧した後、午後は日米協会のジョン・マロット会長、藤崎一郎駐米大使にご挨拶をさせていただきました。会場となっている目抜き通りは、 着物や和傘、お面を身に付けた米国人や、寿司や鯛焼きの屋台で賑わい、日本文化の浸透ぶりを実感するイベントでした。夜は名店オールド・エビット・グリルにて会食。米国版・舟盛りともいうべき新鮮な牡蠣や海老などの盛り合わせや、地元名物クラブケーキなどを堪能しました。

幕末の使節はスミソニアン博物館などの施設も訪れたようですが、私たちもダレス国際空港近くに03年にオープンしたスミソニアンの航空宇宙博物館別館や、ナショナル・モールの同本館、ナショナル・ギャラリーで開催中の伊藤若沖展などを見学。博物館の展示物には広島に原爆を投下したエノラ・ゲイや日本の特攻機もあり、日米のたどった歴史を考える時、いまこうして再び平和な時代に米国を訪れることができることの尊さを考えずにはいられませんでした。

それにしても、米艦ポーハタン号で太平洋を横断し米国に長期滞在した使節たちにとっては、ワシントンなどで盛大な歓迎を受ける一方で、慣れない食事や言語・習慣に加え、大方の米国人にとって初めて見る日本人として好奇の目にさらされたり、帰国しても米国各地で見聞した感動を分かち合える人が僅かしかいなかったことなどを考えると、現代の私たちからは想像もつかない苦労やストレスもあったことでしょう。歴史本を読むだけでは実感のわかなかったことが、子孫の皆さんと一緒に現地を訪れたことで身近に感じ取ることができた気がしました。そして、私たちが思いを馳せることで、ご先祖さまたちも喜んでくれたのであれば嬉しく思います。

「私が皆さんのご先祖さまのチェックイン手続きをしたんですよ」
最終日の朝、ウィラード・ホテルをチェックアウトした私たちをユーモアたっぷりのコメントで笑わせてくれたのは、初老のホテルマン、スティーヴ・ブルームさん。152年前と今を繋ぐ旅。この貴重な機会をアレンジして下さいました村垣会長ご夫妻始め幹事の皆様にあらためて御礼申し上げます。