2024年秋の研修旅行報告
(1) 佐野鼎顕彰碑訪問
2024年10月6日(日)午前9時30分に新富士駅改札前に会員他関係者が17名集合して、駅前のロータリー脇にある佐野鼎の顕彰碑について佐野鼎研究会田村会長から説明をして頂きました。引き続き静岡県東部開成会関係者の方々からご挨拶を頂きました。
(2) 野董川中信(とうせんなかのぶ)の手がけた掛け軸「富士飛鶴図」の閲覧
10月6日午前11時からは、静岡県富士山世界遺産センターの松島仁教授(美術史)の特別なお取り計らいにより、当会の役員と会員18名が参加して 「富士飛鶴図」を同センターの会議室で閲覧させて頂きました。ガラス越しではなく、直接壁に掛けられた「富士飛鶴図」を写真撮影することができました。
中信が手がけた掛け軸「富士飛鶴図」は縦約130センチ、横約60センチで、14代将軍徳川家茂が米大統領に贈った品とされる。 富士山や三保松原(静岡市清水区)が描かれています。
同掛け軸は、日米修好通商条約の批准書の交換のために将軍・徳川家茂が派遣した万延元年遣米使節団がアメリカの大統領に贈ったもので、富士山や鶴が描かれている上、金糸などを織り込んだ「金襴」と呼ばれる織物が表装に使われるなど破格の豪華さを誇っています。
松島教授の解説によると、万延元年遣米使節持参の米国大統領宛の外交贈答品に含まれる掛幅画十幅があげられる。幕末期の外交資料集「続通信全覧」の「新見豊前守等米国渡航本条約書交換一件」の中に掛幅画の制作過程が記録されており、その詳細を確認できる。 御絵師頭取のひとり狩野董川中信が手がけた「富士三保」については、静岡県富士山遺産センター所蔵の「富士飛鶴図」が資料中に示された画題、様式、作者、法量、さらに表装裂の素材や文様、蒔絵による軸端の図案と完全に一致することが判明した。
日本の京都の画商から静岡県立富士山世界遺産センターの松島教授が購入され、保管・展示に至ったことは奇跡であり、日本に戻った経緯は謎です。
(3) 静岡県富士山遺産センター特別展「転回点 幕末から明治へ」
開催記念スペシャルトーク及び特別展見学
10月6日午後1時30分~午後2時30分まで 富士宮駅前「交流センターきらら」にてスペシルトークが、講師の徳川宗家第19代当主/徳川記念財団理事長の徳川家広氏と静岡県富士山世界遺産センター/徳川記念財団特別研究員の松島教授により開催されました。
当会からは代表理事及び会員18名が聴講しました。
午後3時からは、富士山世界遺産センターに戻り、2階の特別展会場で講師によるギャラリートークが行われました。
今回の特別展「転換点 幕末から明治へ」では、「末広五十三次」「御上洛東海道」他の徳川家茂西上関係の錦絵群、和宮江戸下向を記録した絵巻物、明治天皇東向関係の錦絵群を集成するとともに、和宮ゆかりの工芸品が展示されていました。